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頭が痛い

頭痛は誰もが経験しますが、放っておいてよいものと、命に関わるものがあります。脳神経内科ではまず「一次性頭痛(頭痛そのものが病気)」「二次性頭痛(別の病気が原因の頭痛)」に分けて考えます。一次性の代表は片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛です。片頭痛はズキンズキンと拍動性で、光や音がまぶしい/吐き気を伴うのが特徴〔1〕。誘因として寝不足・ストレス・月経・特定食品(赤ワイン・チョコなど)がよく知られます〔2〕。緊張型頭痛は帽子を締めるような鈍い痛みで、姿勢不良・肩こり・目の疲れが関係します〔3〕。群発頭痛は片側の眼の奥がえぐられる激痛が毎日同時刻に集中して出るのが典型で、涙・鼻水・瞼が下がるなどの自律神経症状を伴います〔1〕。

一方、二次性頭痛では至急受診が必要です。特に「突然・人生最悪」の雷鳴頭痛はくも膜下出血をまず疑います〔4〕。発熱+うなじが硬い/意識がもうろうは髄膜炎・脳炎のサイン、片麻痺・ろれつ・視野障害を伴えば脳卒中を考えます〔1,3〕。早朝に強い頭痛・嘔吐・見えづらさが徐々に悪化する場合は脳腫瘍や慢性硬膜下血腫が隠れていることも。抗凝固薬内服や妊娠産褥期、がん・免疫不全の方は重症の背景がないか慎重に評価します〔3〕。

特徴 片頭痛 緊張型 群発頭痛
痛みの質 拍動性・中~重度 締め付け・軽中度 眼窩の激痛
随伴症状 吐気、光音過敏 肩こり 涙・鼻水・眼瞼下垂
パターン 数時間~3日 30分~数日 15分~3時間を毎日
急性期治療 トリプタン/CGRP 休息・鎮痛 高濃度酸素・皮下注
       

【赤旗サイン(red flag sign)】(すぐ受診!)

* 突然で最強の痛み〔4〕
* 発熱・項部硬直・意識障害〔3〕
* 片麻痺・言語・視覚の変化〔1〕
* 進行性に悪化/高齢・妊娠・抗凝固薬など〔3〕

【まとめ】頭痛は性状・随伴・経過で見分けます。赤旗サインがあれば救急評価、一次性なら生活調整+専用薬でコントロールをします〔1–4〕。

【参考文献】
〔1〕 Olesen J, et al. The International Classification of Headache Disorders, 3rd ed (ICHD-3). Cephalalgia. 2018.
〔2〕 American Headache Society. Consensus statement on integrating new migraine treatments. Headache. 2021.
〔3〕 NICE. Headaches in over 12s: diagnosis and management (CG150, updated 2021).
〔4〕 Perry JJ, et al. Clinical decision rules to rule out subarachnoid hemorrhage. BMJ. 2017.

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