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こむら返り

【概念】

「こむら返り」とは、ふくらはぎの筋肉(主に腓腹筋)が突然強く収縮し、激しい痛みを伴う状態で、医学的には「有痛性筋けいれん」と呼ばれます。

【頻度】健康な方でも半数以上が経験しますが、特に高齢者、妊婦、透析患者に多く見られます。

【原因】主な原因は、筋肉の疲労、水分不足、電解質バランスの乱れなどです。明け方によく起こりやすいのは、①夜間の発汗による水分・電解質の喪失、②長時間同じ姿勢で寝ることによる下肢の血流低下、③1日のうちで最も体温が低下する時間帯であること、などが挙げられます。

※高齢者では、下肢静脈瘤(足の血管が浮き出る病気)や、高血圧・脂質異常症・甲状腺疾患の治療薬(利尿薬、スタチンなど)も原因となり得ます。

【治療】発作時には、壁や床に足裏を押し当てて、ふくらはぎをゆっくり伸ばすと痛みが和らぎます。反動をつけず、息を吐きながら行うのがコツです。治療薬としては、芍薬甘草湯がよく用いられ、状況により抗けいれん薬、筋弛緩薬、抗不安薬なども検討されます。

【予防法】就寝前のストレッチや温浴、足の保温、寝返りしやすい寝具の工夫、禁煙、ノンカフェインの習慣などが推奨されます。食事面では、水分補給に加え、カルシウム(乳製品・小魚・海藻)、マグネシウム(ナッツ・大豆製品・海藻)、カリウム(野菜・果物)をバランスよく摂取するとよいでしょう。最近の研究では、ビタミンK₂(納豆・チーズなど)の予防効果も示唆されています。

※高齢者のこむら返りは、原因の特定と適切な対応が重要です。早めに専門の医師へご相談ください。

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